日別: 2018年1月8日

さぶたいとる

2018年1月8日(月曜日)

女子連合強し!(妊娠までのストーリー④)

大分県にあるうみたま体験パーク「つくみイルカ島」へやってきたナミとニーハ。

新しい環境でなかなか落ち着きません。

ナミとニーハ2頭で並泳していることが多く、行動のバリエーションも単調です。

アテネにはあまり関心が無く、むしろ避けているような感じで、アテネが近づいてくると、「ブー」と音を出し威嚇します。

 

女子連合強し!

 

噛み付いたり、追尾することは無く、同居もできないという状況でありませんが、もう少しアテネを大事にしてくれてもいいのに。

時間とともに、仲良くなってくれることを願うばかりです。

 

「つくみイルカ島」では、ナミとニーハが排卵するかエコーで追跡します。

いくら交尾しても、排卵していなければ妊娠しません。

また、繁殖は身体の中のホルモンと密接に関係しているので、ホルモンの変動についても調べます。

輸送前に投薬していた黄体ホルモン製剤の効果はあったのでしょうか。

 

6月上旬のエコー検査、このころの獣医はまだエコー画像の読み取りに不安がある時期です。

ニーハについては「卵巣と卵胞ともにしっかり見えている、卵胞は順調に発育中」

ナミについては「卵巣は見えるが卵胞が見えない、発育してないのかなー?」

 

6月中旬のエコー検査では

ナミは卵胞が見えず「結局卵胞が育たなかったかも」

ニーハは「卵胞がまだ見える、ちょっとおかしい、いつ排卵するんだろう」

 

卵胞の中から卵子が排出され、卵胞が黄体に変化します。

卵胞は水分が多く、黄体に変ると中身がつまってきます。

構造の違いからエコー画像では卵胞は黒く見え(黒く抜けるといいます)、黄体は卵胞に比べてほんの少し白っぽく見えます。形状や場所はどちらも同じで違いを見分けるのは難しく、獣医はこの時も他の獣医に問い合わせしまくっていました、日本国内だけでなく海外の獣医さんまでにも。快く教えていただいた皆様、ご協力いただいた皆様、感謝、感謝です。

海きらら獣医がんばれ!

 

これが卵胞

 

こっちが黄体

 

*後のホルモン検査では、ニーハはしっかり排卵していたことがわかりました。

 ホルモンの検査結果とその時のエコー画像を見直し、勉強して獣医はエコー画像を読み取れるようになって行きます。

 

ニーハは交尾していれば妊娠の可能性があります。

ナミは妊娠の可能性が非常に低くなりました。

 

日中の観察では、相変わらず、女子連合とアテネが距離をとり、遊泳方向も逆泳ぎ。

物理的にも心理的にも距離はなかなか縮まらない。

ましてや交尾行動も見られず。

この状態は6月末、海きららへもどる時まで続きました。

それでも、観察できていない時間のほうが長く、もしかしたら交尾している可能性に期待するしかありません。

 

海きららへもどってきたのは6/26。

 

妊娠すると上昇する血液中のホルモン・プロゲステロンの値はどうなったでしょうか。

 

ナミは、ずっと低いままで上昇せず。

やはりダメだったかー。

 

ニーハの血中プロゲステロン値は

6/13 ちょっと上昇(おー、ちょっと期待)

6/20 さらにちょっと上昇(おおー、期待値上昇)

6/26 ちょっと低下(あれ、もしかして)

7/3  ゼロ(あー、残念!)

 

ナミ、ニーハともに妊娠しませんでした。

かなり期待していたのに、ほんとに残念。

「つくみイルカ島」での滞在期間が短かった?、相性の問題?、水温の変化が影響?。

 

これで、人工授精に取り組むことが決まりました。

 

つづく・・・。