イルカ日記 Month: 1月 2018

さぶたいとる

2018年1月30日(火曜日)

イルカの人工授精、本番でーす(妊娠までのストーリー⑪)

イルカの人工授精、最初に行ったのは平成29年9月中旬です。

 

9月中旬、イルカの卵胞が成長し、排卵が近くなってきました。

まもなく、人工授精本番です。

いつ排卵するか知るためには、毎日出来るだけ多くの回数エコー検査が必要です。

イルカショーの最中も、プールの端で見つからないようにこっそりエコー検査を行っていました。

 

一方、南知多ビーチランドと須磨海浜水族園にお願いしていた精子採取ですが、本番直前になっても安定していません。

なんとか頑張って精子を送ってもらいましたが、あまり良い状態ではありませんでした。

 

南知多ビーチランドから届いた精液は、

・精液量はたっぷり

・でも精子濃度がとっても薄くて

・生きている精子はちょびっとだけ

・生き残った精子は非常に弱っている

 

須磨海浜水族園から届いた精液は

・精子濃度は普通

・精液の量がびっくりするくらい少しだけ、だから精子の数もほんの少し

・生き残っている精子は半分以下

・精子の元気もいまいち

 

結論からいうと、この精子の状態では、妊娠の可能性はとーっても低い。

 

しかし、精子採取は簡単ではありません、採取するためにすっごい頑張ってもらいました。

感謝、感謝、感謝です。

大変な努力して送ってもらった貴重な精子、無駄にすることなく大切に使いましょう。

妊娠の可能性はゼロではありません。

もちろん人工授精やりますよー。

 

南知多ビーチランド・リオスから採取した精子をナミに、

須磨海浜水族園・カイリから採取した精子をニーハに使用することにしました。

 

 

 

ナミの人工授精を行ったのは9月15日。

9月15日の朝エコー検査をしたところ、卵胞が無くなっている!

前日14日の10:30に行ったエコー検査では卵胞があったので、この間に排卵があったようです。

ということで、急遽夕方人工授精を行ったのですが、タイミング的には遅すぎました

しかも、内視鏡の先端は子宮まで入れず、かなり手前で精子を置いてくることになりました。

 

ニーハの人工授精を行ったのは9月16日。

須磨海浜水族園から届いた精子の使用期限が限界に近づいていたので、タイミング的にはちょっと早いかなーという感じはありましたが、9月16日夕方に人工授精を行いました。

内視鏡は子宮まで入ることが出来ましたが、子宮の奥ではありません。

結局卵胞が見えなくなったのは18日、ニーハの場合は人工授精のタイミングが早すぎました。

 

まとめると

人工授精のタイミングは 「ナミは遅すぎ」、「ニーハは早すぎ」

精子は質・量とも不十分

ニーハは子宮まで内視鏡を挿入できたけど、ナミは入れず

 

ということで

9月の人工授精で妊娠の可能性は

「ほぼゼロ!」

 

人工授精はとっても難しいので、1回で成功するなんて思ってもいませんよ、もちろん。

次回排卵のタイミングで頑張りましょう。

一応、血液検査でプロゲステロンの変化を見ときましょうか。

 

こんな感じで9月の人工授精は終わりました・・・・ところが

このあと大変なことが起きます。

 

つづく・・・

2018年1月29日(月曜日)

やりたい放題エスカレート

イルカプールに取り付けられている橋の板がこんなことになっています。

 

犯人はこいつら!

  

 

ボールやフロートを使って、橋の下から板を突き上げて、バンバンやります。

エスカレートすると、板が外れます。

板が外れると、そのたびに直しにいきますが、また板を外されます。

 

 

この遊びは、イルカ達が自分で気づいて始めたものです。

イルカ達にとって、自分で発見した遊びは、大好きな宝物です。

何度繰返しても飽きることなくやり続けます。

トレーナーが直しに来るのも含めて楽しんでいるようです。

 

さて、どうしたらよいでしょう。

考えた結果、この遊びに付き合うことにしました。

板をしっかり止めて動かないようにすると、遊べなくなります。

なので、一部ヒモでつないだだけで、あとは動くままにしました。

 

もともと取り付けてあった板はイルカ達に遊ばれて壊れてしまったので、新しい板を作りました。

この板が壊れたら、また新しい板を作ってあげるつもりです。

 

動物が自分で考え、自分の意志で行動し楽しむ、これがエンリッチメントの本質かと思います。

でも本心は

「もう壊さないでー、お願い!」

 

2018年1月26日(金曜日)

イルカの人工授精・排卵予測(妊娠までのストーリー⑩)

平成29年8月頃、四苦八苦していた話をもう一つ。

 

 

人工授精は、排卵のタイミングに合わせてやりたーい。

そのためには、

 

いつ排卵するのか?

何時に排卵するのか?

 

どーしても事前に知りたいんです。

 

排卵のタイミングを事前に知る方法は4つ

 

・エコーで卵胞の成長を追跡する

・膣スメア

・血液中や尿中のLHサージを追跡する

・血液中や糞中、尿中のエストロゲン(E2)を追跡する

 

どれも、1日に数回必要な検査です。

1日に何度も無理やり捕まえることは出来ないので、どの方法を選択してもハズバンダリーでの実施が必須です。

 

さてどの方法を採用するか。

 

海きららのナミとニーハ、2頭とも一番嫌いなのが血液検査。

1週間に1回程度なら採血も我慢してくれますが、1日に数回となると

「ぜーったいにイヤ!」

トレーニングの技術次第なのでしょうが、今の海きららの実力では全くもって出来る気がしません。

血液を使う検査は避けましょう、血液を使う検査は却下。

 

膣スメアとは、生殖孔から出てくる細胞の変化を追跡する方法です。

生殖孔に綿棒を入れて細胞をとって、スライドガラスに塗って染色、顕微鏡で観察します。

見つかる細胞の変化から排卵を予測する方法です。

試しにやってみましたが、論文に書いてあることと違う!

個体差もあるようで、海きららのナミとニーハでは明確に結果が出ませんでした。

この方法では良くわからない、よって膣スメアも却下。

 

エストロゲン(E2)、初めて出てきましたね。

E2は卵胞の成長を助け、また受精卵が着床しやすいように子宮を整える役割をもつホルモンで、排卵前に上昇します。糞や尿の中にも含まれるため、採取は簡単なのですが、糞中と尿中のE2は上昇と下降が緩やかなために、高精度の排卵予測には使えません。血中E2なら使えるんですが、イルカ達が採血嫌なもので・・・、よってE2も却下です。

 

LHサージ、以前に出てきました、覚えていますか。排卵前に急上昇急降下するホルモンです。

尿に含まれるLHを追跡することで、排卵のタイミングを予測できそうです。

しかし、検査方法が問題、採取してすぐに結果を知るにはどうすればよいか?

すぐに知りたいというところがポイントです。

人間用には、尿でLHの値がわかる検査キットが販売されています。残念ながら人間用の検査キットでは、イルカのLH検査は出来ません(人間用の製品を作っている製薬会社にも聞いてみましたが・・・ダメでした)。

岐阜大学でもいろいろと検討していただいた結果、犬用のLH検査キットなら検査できる可能性があるとのこと。

ところが、大きな問題が。

 

この犬用LH検査キット、日本では販売されていない!

 

どうやって入手するか?

入手する手段が無いか、あっちを調べ、こっちに問い合わせしていたところ、岐阜大学から海外のAmazonで通販されているとの情報をいただきました。

この犬用LH検査キットかなり高額で、人間用に比べると15倍!の価格です。

しかも届くまでにかなり時間がかかるとの事、薬品なので税関でのチェックも必要です。

即発注しましたが、9月の人工授精には間に合いそうもありません。LHサージの追跡も不可能。

 

ということで、9月の人工授精について、排卵日の特定に使用できる手段は、

 

エコー検査だけ

 

となりました。

そういえば行動の変化も指標になるようですが、ナミとニーハは行動があまり変化しません(オスが同居していないのが原因?)。

獣医のエコー映像を読み取る技術に掛けるしかありません。

排卵タイミングの予測がうまくいくのか、獣医の両肩に人工授精の成否がのしかかります。

 

俄然張り切る獣医でありました。

(海きららでイルカの人工授精を行った獣医です!)

(頭につけているのはエコー用のモニター、ヘッドマウントディスプレイです、コスプレではありません、あしからず)

 

 

つづく・・・。

2018年1月25日(木曜日)

ナミの血液検査結果・プロゲステロン

1月22日に検査センターに依頼した血中プロゲステロンの値が出てきました。

 

前回よりちょびっと上昇してました!

 

あとは胎子が見つかれば妊娠確定、引き続きエコー検査で胎子を探すことにしましょう。

妊娠確定に向けまた1歩進みました。

 

しかーし、

 

ショーでの動きはどんどん悪くなっていきます。

ジャンピングキャッチボールのボールをわざと低く投げたり、

フラフープを回さなかったり、

サーフボードは押さずに沈めたり。

 

血液検査も良好。

ウンチの状態も良好。

呼気(鼻息です)の検査も大丈夫。

体温も平熱。

体調はいたって健康です。

 

これはもしかして

 

「つわり?」

 

気持ち悪いのか?そもそもイルカに「つわり」があるのか?

 

いや、トレーニングの失敗、自由にさせすぎたか?

 

今日もイルカに振り回されるイルカチームでした。

 

2018年1月24日(水曜日)

イルカの人工授精、子宮にたどり着けるのか(妊娠までのストーリー⑨)

 

平成29年8月~9月上旬ごろ、

全く見通しが立たない中で、イルカ達の協力でどうにかなりそうになってきたっていう話。

 

イルカの人工授精、精子を子宮より奥に届けたいのですが、そのためには、内視鏡の先端を子宮まで到達させる必要があります。

 

ところが、メスイルカの生殖器、構造が非常に複雑で、子宮まで到達するのは至難の業。

もちろん海きららではやったことがありません。

人工授精の本番までには、どこをどうやって進めばよいか解明する必要があります。

いろいろ調べてはみたものの、よくわかりませんでした。

 

ということで、事前テストを実際にやってみることにしました。

 

当初、イルカを捕まえて、鎮静剤を注射して・・・って考えていたのですが、この方法ではイルカにかかる負担が大きく、何度も試すわけにはいきません。

 

そこで、例のハズバンダリー。

イルカ達に協力してもらうことにしました。

 

イルカ達にはステージの上に自ら上がってきてもらいます。

横向きの体勢でじっと我慢。

この体勢で生殖孔から内視鏡を挿入、少しずつ前に進みます。

最初から長時間我慢は出来ないし、奥までの挿入なんてもってのほかです。

ほんの少し挿入できたら、短時間でOK!いっぱいほめます(餌をあげます)。

これを繰返すことで、より長時間、より深く内視鏡を挿入しても我慢できるようになります。

最長で10分間我慢できるようになりました。

 

長い溝(赤の矢印)が生殖孔

小さな溝(青の矢印)はおっぱい

一番左の溝(黄色の矢印)は肛門

 

生殖孔から内視鏡を挿入すると、入ってすぐのところで一旦抵抗があります。

ここは無理せず、ゆっくり通過。

 

さらに進むと、最初の関門、偽頸部入り口というところにたどり着きます。

ここは真ん中を進みます。

さらに進むと2番目の関門、偽頸部入り口と同じような構造がもう一つあるので、ここも真ん中を進みます。

すると・・・・行き止まり?

もう前には進めません、っていうかどこにも進める通路がありません。

 

正面が行き止り

 

どこかに子宮への分岐点があったのか?子宮頸部への入り口があるはずなのですが見つかりません。

ナミとニーハは何回も内視鏡の練習に付き合ってくれました(採血ほどイヤでは無いようです)。

 

内視鏡の映像を録画し、何度も見直し、論文を探し、解剖図と見比べ、作戦を立て、再チャレンジ。国内だけでなく海外の獣医さんにも聞いてみました。

でもわかりません、どうすれば子宮にたどりつけるのか?

 

何度チャレンジしても、なぜか毎回同じ場所にしかたどり着きません。

内視鏡の先端は行き止まりでストップ。

そんなことを繰返しながら、9月中旬、人工授精予定まであと数日。

メスイルカたちも排卵の準備が整いつつあります。

すると、ニーハの生殖器内部の構造に変化が!

内部の一箇所が腫れて膨らんできています。

 

腫れて膨らんでいる部分に内視鏡を進めたところ、

今までとは違う内壁のある部屋、子宮内へ進入することが出来ました。

本当に苦労しましたが、大きな進歩です。ナミとニーハありがとう!

 

内視鏡挿入についてわかったことは、

・行き止まりまで進んだらすこし戻る!

・腫れて膨らんできた部分に子宮へつながる子宮頸部への入り口が隠されている!

・腫れて膨らまないと、見つけられないし入れない!

・排卵が近づかないと腫れて膨らまない!

このデータは他の施設でも活用できるように、どこかの研究会か学会で詳しく発表することにしましょう。

 

実は、人工授精本番までに子宮まで内視鏡を挿入出来たのはニーハの1回だけ。

ナミは何度やっても入れませんでした。

 

この状態で人工授精へと突き進んで行きます、どうなるのか。

 

つづく・・・。

2018年1月24日(水曜日)

イルカの人工授精・精子の確保(妊娠までのストーリー⑧)

平成29年8月頃

 

精子の確保、人工授精を行う場合には必ず必要です。

他の動物では電気刺激を使用して採取する方法をとることもあるようですが、

イルカの場合は動物に負担の少ないハズバンダリーで行います。

精子提供に協力してくれるのは、南知多ビーチランドと須磨海浜水族園、

人工授精本番までに、精子が輸送に耐えられるのかテストが必要です。

人工授精まで残り1ヶ月を切ってきました。

 

 

しかし、

南知多ビーチランドのリオスの精液は精子濃度が低く採取も安定しなくなってしまいました。

須磨海浜水族園のカイリも同じような状況。

 

論文を調べてみても、精子濃度の季節変動があるとの情報は見当たりません。

考えられる原因は、体調の問題?、飼育環境の要因?、トレーニングの問題?。

 

精子を採取するために、南知多ビーチランドと須磨海浜水族園は、すーっごいがんばりました。

どのような努力を行ってきたのか紹介します。

 

精液採取はハズバンダリーで行います。

オスのペニスはお腹側にある生殖孔の中にしまってあります。

生殖孔付近を刺激してペニスを勃起させ、ペニスを手で刺激して射精させます。

 

どうすればうまく採取できるか、精子濃度が濃い精液を採取するにはどうすればよいか、いろんなところに情報収集行い検討を重ね試行を繰返します。

・採取時に尾ビレを保持しないほうが良いとか、

・ ペニスを刺激するときにラテックスの手袋をしていたほうが良いとか、

・お腹のこの辺りをこんな風に刺激すると勃起しやすいとか、

・勃起時間が短いと精液が薄くなるとか、

・勃起時間を延ばすためにはこんな風に刺激したほうが良いとか、

・個体によって最適な刺激の仕方が違うとか。

・採取する道具も、シリコン製の柔らかいもののほうが良いのではとか、

・射精の1回目は精液の量が多くて精子数が少なく、2回目、3回目と続けていくと精液の量は少なくなるものの、精子数は多くなる傾向があるとか。

 

南知多ビーチランドと須磨海浜水族園のスタッフは本当に努力されていました。

心から感謝いたします。

後々この苦労と努力が実を結ぶことになります。

 

最初に海きららに精液が届けられたのは平成29年8月下旬、須磨海浜水族園のカイリからです。このとき人工授精予定まで残りあと約2週間。届いた精子は生存率が低く生きているものも元気がいまいち。人工授精に使用できないわけではないですが、もう少し元気な精子が沢山ほしいところです。輸送中の温度変化もデーターロガーで記録し、最適な温度で輸送できるよう保冷剤の量を調整します。また精液の保管の仕方も工夫しました。

 

実は、人工授精本番までに出来た輸送のテストはこの1回限りで、南知多ビーチランドのリオスでは採取出来ていませんでした。

精子が確保できるのか、大きな不安を抱えたまま本番に向けて突き進んでいくのであった。

 

海きららに届いた精子の様子(輸送テスト時)

 

つづく・・・。

2018年1月22日(月曜日)

今日はナミの採血

今日は妊娠疑惑のあるナミの採血日です。

通常の健康チェックの他に血液中のプロゲステロン値も調べます。

プロゲステロンはどんなホルモンだったでしょうか?

妊娠していると、高い値が維持されるホルモンでした。

 

ナミが人工授精を行ったのは昨年の11月、

11月からのプロゲステロンはこんな感じ

 

 

上昇傾向です。

 

ということは・・・妊娠?

 

プロゲステロン値だけでは判断できません。

妊娠確定するためには、エコー検査で胎子を確認する必要があります。

ナミの胎子は未だ見えず、でもそろそろ見えてくる時期です。

期待が高まります。

 

 

今日のナミはというと、朝からご機嫌ナナメ。

一人でおもちゃのフロートに八つ当たり、下あごで水面に浮いているフロートをガンガンたたいていました。

 

採血はハズバンダリーで行います、イルカのご機嫌次第では、針を刺させてもらえないこともあります。

 

尾ビレの表面には葉っぱの筋のように血管が走っていて、ここに針を刺して採血します。

針は23ゲージの翼状針を使います。細い針のほうが比較的イルカが嫌がらないので、海きららでは23ゲージを使っています。

ヒレの血管は、動脈のまわりを静脈が取り囲み、動脈と静脈が平行して走っています。この構造のおかげで、熱が身体の外に逃げにくくなっています。

これを

 

対向流熱交換システム

 

なんて言ったりします。

なので、動脈や静脈だけを狙って針を刺すことはほぼ不可能、採血の時には、動脈血と静脈血が混ざって出てきます。

イルカの血管の位置を探すのには、ちょっとコツが必要です。指で尾ビレの表面を押すと、柔らかく凹む部分あります、これが血管です。尾ビレの表面を見ると、線のように見えるところがありますが、見えた場所と本当の血管がずれていることもあります。見た目にだまされないように要注意。血管に針が当たると、トスッという針が突き抜けたような感覚があります。

 

今日のナミ、採血に協力してくれるか心配だったのですが、トレーニングを始めると一転、しっかりトレーナーに付き合ってくれました。

 

しかし、ここでトレーナー痛恨のミス!

 

「ナミ、ごめん!」

 

針を刺す位置が血管からズレていたようで、血液が出てきません。

まんまとだまされていました。

血液が採れたか採れないかは人間側の事情、イルカ達には関係ありませんよね、

しっかりと採血に付き合ってくれたナミには、たっぷりお魚をあげます。

 

一旦仕切りなおし、次のセッションで再チャレンジ。

今度は血管を捉えることができて、採血OK!

ナミ、2回目のセッションも協力的でした。

トレーナーの心情を忖度して、成功している写真をアップします。

 

 

 

プロゲステロンの値は結果がでるまで数日かかります。

高い値が維持されていればよいのですが。

 

 

2018年1月21日(日曜日)

問題発生!精子が・・・(妊娠までのストーリー⑦)

「精子送れないかもしれない」

 

平成29年8月頃、南知多ビーチランドから連絡がありました。

詳しい話を聞いてみると、精液採取はできるが精液に含まれる精子数が非常に少なくなってしまったとの事。通常精液は白濁していますが、精子が少ないと色が薄くなり、より透明に近くなります。リオス(南知多ビーチランドのオスイルカ)の精液はというと、薄――い。

カマイルカでは精子の量に季節変動があるようですが、ハンドウイルカではあまり聞いたことはありません。

 

体調不良?

トレーニングの問題?

原因不明です。

 

人工授精までには、もう少し時間があります。

9月中旬の本番までに、精子が輸送に耐えられるかのテストも行う必要があります。

猶予は余りありませんが、引き続き様子を見てもらうことにしました。

 

が、しかし、その後も精子濃度が改善される傾向は見られず、何度トライしても薄いまま。

このままでは本番までに精子が届かない可能性が高くなってきました。

相談の結果、リオスのバックアップを他の施設にお願いすることになりました。

しかし、条件に合う施設は簡単には見つかりません。

 

ピンチ!

 

いろいろ探し回ったところ、神戸市立須磨海浜水族園が協力してくれることになりました。がんばってくれるのはカイリという個体。カイリ、実は南知多ビーチランド生まれ、がんばってくれているリオスの子供です、なんて奇遇なんでしょう!

カイリの精液採取については、まだトレーニング中で安定して採取は難しく、自信は無いけどチャレンジしてみる、期待しないでください、とのことでした。

非常にありがたいことです。

三重大学、岐阜大学、南知多ビーチランド、海きらら、これに、神戸市立須磨海浜水族園が加わり、イルカの人工授精に向けて5者体制となりました。

 

 

かなり大事になってきたー。

 

つづく・・・。

2018年1月20日(土曜日)

ニーハ、本日のエコー検査

今日のニーハの様子はというと、

1回目のイルカショー、ボールバランスという種目。

 

「口の先にボールを乗せて10秒がんばってもらいましょう」

「1、2、3、・・・・」

 

3秒でボールを咥えたままどっかへ行ってしまいました。

ボールで遊び始めて、全然戻ってきません

ナミとニーハのジャンピングキャッチボールもニーハがいないので出来ません。

しょうがないので、トレーナーとナミのキャッチボールを披露、3回チャレンジしましたが成功しませんでした。

やはり、イルカ同士の方が、タイミング合うようです。

ニーハはというと、ショー中ずっとボールで遊びっぱなし、ショーが終了しても帰ってきません。

 

今日のトレーナーの作戦は

 

飽きるまで待つ!

 

30分経ったら満足したのか、ボールを返してくれました。

3回目のイルカショーでは何事も無かったかのように、ご機嫌でボールバランスしてました。

今日のニーハも自由!

のびのびと海きららでの生活を満喫しているようです。

 

ということで、ニーハのエコー検査。

 

 

今日の検査では、ニーハはじっと動かず良い子でした。

胎子も元気に動いています、順調に成長しているようです。

2018年1月18日(木曜日)

イルカ達、テレビで育児のお勉強

イルカの出産、なかなか子供がうまく育たないんです。

お母さんが初産の場合は、子供の生存率がさらに下がります。

なぜでしょう。

 

生まれたばかりの子供は、遊泳能力が低く、水面で呼吸するのがやっとで方向転換もうまく出来ません。イルカのお母さんは、子供と一緒に並んで泳いて子供をサポートします。一緒に並んで泳ぎながら、子供は母親のおっぱいを探します。イルカのおっぱいは、背びれと尾ビレの中間のお腹側にあります。子供がおっぱいを探しやすいように、自分から積極的におっぱいを子供に近づける母親もいます。

子供がミルクを飲めれば、とりあえず一安心。

でも、ここまでたどり着けないことがあります。

 

出産後うまくいかないパターンは

・母親が子供と一緒に泳がない

・母親が子供を攻撃する

・子供がおっぱいに近づくと母親が避ける

・子供がおっぱいを見つけられない

・同居個体が子供を攻撃する

・同居個体が子供を母親から奪い取ってしまう

・母親と同居個体の闘争に巻き込まれ子供が溺れる

 

うまくいかない原因の一つとして

群れの中で他個体の出産や子育てを見て学習しているんじゃないか?

他個体の出産・育児を見る経験不足が原因か?

などと言われています。

 

であれば、海きららのイルカ達にも他個体の出産や授乳、子育てなど見せてあげよう。

 

ということで、

イルカの出産シーンや、授乳シーンをテレビで見せることにしました。

 

使っている映像は、

市立しものせき水族館「海響館」

新江ノ島水族館

2つの施設から提供していただきました。

両園館とも「何かありましたらいつでもご相談ください、応援しています」とのこと。

貴重な映像だけでなくさらに暖かい言葉まで、本当に感謝です。

多くの方のご好意でいろんなことにチャレンジできているんだなーと、改めて思いました。

 

イルカ達に映像を見せているのは夕方から暗くなるまでの時間、出産まで毎日見せようと思っています。

 

 

映像を見ているイルカ達はというと、一応興味は持っているようで、時々、

 

口を大きく開けて

鼻からエアーを出しながら

「ブーーーー」

 

 

これって、一般的に他個体を威嚇するときにする行動なんですけど。

怒ってる?ふざけてる?

本気で怒っているようには見えませんが、何の意思表示でしょうか。

ちなみに、この行動、ナミとニーハの映像を流したときにもやってたんだよなー。

 

少しでも出産・育児がうまくいくように必死になって考え取り組んでいる担当者に対して、

今日も自由すぎるナミとニーハでした。