イルカ日記 Month: 9月 2019

さぶたいとる

2019年9月27日(金曜日)

アイルの成長

一昨年9月に実施した人工授精から2年が経とうとしています。
そして、昨年927日に誕生したアイルも、今日で1歳になりました。

最近のアイルの様子は、おもちゃのボールを咥えることができるようになり、遊びのバリエーションが格段に増えました。
(ボールが大きかった為、今まで咥えることが出来ませんでした。小さいボールを入れてしまうと、
ナミとニーハが飲み込んでしまう為、入れることが出来ずアイルは吻先で押して遊んでいました)

※吻先で押している様子

アイルが楽しい時間を過ごすことは良いことです。
ですが、スタッフの心境としましては、慣れないボール遊びは不安で仕方ありません。
口にはまって抜けなくなったらどうしよう・・・布や糸の綻びに鋭い歯が絡まってしまったらどうしよう・・・
考え出したらきりがありません。しかし、アイルはそんなこととは露知らず、毎日元気いっぱい遊んでいます。

※咥えて遊んでいる様子

918日に行った健康チェックでは、体重:110.4kg、体長:210.5cmと日々大きくなっています。

まだ母乳を中心に栄養を摂取してはいますが、魚もたくさん食べれるようになりました。
魚は小さなニシンを4kgほど毎日食べており、冷凍した魚に不足がちなビタミンを補うためのサプリメントも、
魚の中に入れて摂取しています。最近ではアイル専用のクーラーボックスも準備し、
1人前?1イルカ前?のイルカに向けて日々のトレーニングを頑張っています。

※アイルの餌BOX

※アイルトレーニングの様子

最後にアイルファンの皆様に、プチ情報をご紹介させていただきます。

夕方(1700頃)のイルカプールでは、プログラムやトレーニングを頑張ったナミとニーハが、
のんびりとした時間を過ごしています。そんな中、アイルは元気が有り余っているのか、
1階アクリル面前に来て、遊んでくれることが多いです。
好奇心旺盛な一面が垣間見える時間です。
人の手を追いかけたり、物珍しそうにこちらを観察したりと、毎夕忙しそうです。
日中はボールやおもちゃ、ニーハやナミと遊ぶことが多いので、もっと近くで観覧してみたいというお客様は、
ぜひ閉館間際にトライされてみてはいかがでしょうか。

注意事項:

※アクリル面に寄ってきてくれるかどうかは、イルカ達の気分次第です。
 体調や環境によって、アクリル面に寄ってきてくれない事がありますのでご了承ください。

※夕方の時間に調査・研究の時間を設けていることがあります。

2019年9月25日(水曜日)

プログラムは綱渡り

アイルが2018927日に誕生してから、今年712日までの間、
イルカのプログラムをお休みさせていただいておりました。
今更ながら、イルカのプログラムをお待ちいただいていた皆様、
大変長らくお待ちいただきありがとうございました。

7月13日から再開したプログラムでは、夏恒例のスプラッシュドルフィンを行いました。
とても大盛況で、みなさまに楽しんでいただけたんじゃないかと思います。
スプラッシュドルフィンは9月1日で終了し、現在は新たなプログラムを行っております。

 

海きららでは、通常13回イルカのプログラムを実施しています。
このイルカのプログラムでは、イルカ達がかっこいいジャンプや
コミカルな動きを披露してくれます。
しかし、そんな煌びやかな時間の裏で繰り広げられている、
イルカとスタッフの壮絶な駆け引きを少しご紹介させていただきます。

 

※プログラムはイルカの体調や天候によって中止させていただくことがございます。
予めご了承ください。
なお、中止の場合は公式サイトの新着情報にアップいたします。


※プログラムの様子

 

第一章 名称について

海きららでは、イルカショーと言わず、イルカのプログラムと言っています。
理由は、完成した種目だけではなく、現在、頑張って練習している姿を見ていただき、
応援していただけるような時間にしたいからです。

他にも実験の様子や必要に応じて健康チェックなども、理由と共にご紹介するなど、
様々なイルカの様子を見ることが出来るイベントとなっています。

そこで、ショーではなくプログラムを実施するにあたり、トレーナーは様々なことに注意します。
イルカ達も日によって体調や気分は違います。種目の選択や設定を間違えてしまうと、
失敗や間違いが続き、お客様の印象は“まだまだ練習が足りない、
中途半端なプログラム”となってしまいます。

※ジャンプの様子

 

第二章 ジャンピングキャッチボール

続いては、もっと踏み込んだ用例です。
海きららでは、ジャンピングキャッチボールという種目があります。
この種目は2頭のイルカが空中でキャッチボールをする種目なのですが、
行動が複雑で、風や光といった環境に左右されやすく、難易度の高い種目です。

 

2010年からプログラムで披露してから、ほぼ毎日プログラムで実施されてきました。
県内外からご来館いただいている皆様に、なんとしても成功をお届けしたい。
そんな気持ちで集中して取り組んでいます。

 

成功に少しでも近づける為に、気持ちよくプログラムが出来る環境の整備や
魚の調整は必須であり、基本です。
以上の事を怠ってしまったり、準備が甘いと失敗が連続したり、
事故に繋がったりと、イルカが満足に力を発揮できません。

 

また、他にも調整がすごく難しい条件があります。
それは、2頭の関係性です。キャッチボールはボールを相手に譲渡
するとも言える行動です。個体関係が悪くなると、イルカ同士や
イルカと人の間でのボールのやり取りが難しくなってしまいます。
普段から関係性にも注目しながらトレーニングに励んでいます。
これがとてつもなく神経を使います。


※ジャンピングキャッチボールの様子

 

第三章 トレーナーの話術

海きららのプログラムは、毎回シナリオ通りにいくとは限りません。
イルカの体調・トレーナーの体調・悪天候・機材トラブル・お客様対応等、
様々なイレギュラーな事態が起こります。

 

そんな中、一定の質を保ったり、急な事態に対応する際、
トレーナーの話術が試されます。一定して求められるのは“面白さ”です。
トレーナーがトラブルに見舞われたり、機会に関するトラブルなどは、
事前に察知しにくいことがあります。

 

そんなイレギュラーな事態でも、イルカに細心の注意を払いながら、
その場を面白くする。まだまだ未熟な海きららのトレーナーでは
ありますが、日々そんな事態に備えて準備をしています。
理想はどんな事態も違和感無く対処し、面白いと思っていただく
コンテンツに出来るような話術の習得を心がけています。

 

ぜひ、皆様もプログラム中のトレーナーの台詞にも注目
していただけたらと思います。


※トレーナーの様子

 

最終章 総括

プログラムは綱渡り 拙い文章ではありましたが、少しはご理解いただけましたでしょうか。
一つお願いしたいのは、綱渡りとは決して悪い意味ではありません。
海きららトレーナー達はすごくやりがいに感じています。

 

イルカの本気を引き出す為の努力や準備、プログラム中の微調整や采配。
全てはその時に出来る最善を尽くし、イルカにとってより良い時間にし、
お客様に何かを感じていただく。イルカとトレーナーの真剣勝負の先に
感動は生まれるのかなと。これが海きららの求めるプログラムであり、
永遠の課題だと思っています。

 

 

アイルを含めてまだまだ若いメンバーですが、これからも
精進していきますので、ご声援のほどよろしくお願いいたします。


※挨拶している様子

2019年9月5日(木曜日)

ナミは寂しがり屋さん?

皆さんこんにちは。
今回の日記の主役は、ハンドウイルカのナミの話です。

 


(ハンドウイルカのナミ)

 

海きららの九十九島イルカプールには、
メインプールとホールディングプールの2つのプールがあって、
イルカたちは水中で自由にこの2つのプールを行き来しています。

 

手前がメインプール、奥がホールディングプールです。
真ん中にある橋の下のゲートを閉めることによって、プールを隔てることができます。
奥のホールディングプールは床が上がる仕組みになっており、
ハズバンダリートレーニングでは出来ないような検査や治療を行う際に使用しています。

 


(手前がメインプール、奥がホールディングプール)

 


(ホールディングプールの床が上がっている様子)

 

アイルは、まだハズバンダリートレーニングによる検査が十分に出来ないため、
定期的に取り上げて健康チェックを行っています。
健康チェックでは、一時的にニーハとアイルがホールディングプールに入るのですが、
そのときに1番抵抗を示すのは、ナミです。

 

ナミは2頭と離れたくないのか、2頭と一緒にホールディングプールに入ってしまいます。
目にも留まらぬ速さで、時には親子よりも先に入ってしまうナミ。

 

ナミがホールディングプールにいると取り上げ作業時に、
ナミとスタッフの負担となってしまう為、出て欲しいのがトレーナーの希望です。
ゲートトレーニングはとっても難しくトレーニング出来る期間も数日しかありません
(海きららのトレーナーの力不足の為)。

 

今までは、親子が入った後に何とか時間を稼いで閉めていました。
しかし、ステージに上がって入ろうとするナミ。
この行動はナミにもトレーナーにも、とても危険な行動です。

 

なので、考えに考えた結果、ホールディングプールに入りたいナミ
・ステージに上がりたいナミの要望に答えることにしました。

 


(左:ナミ、右:アイル)

 

ナミとトレーナーが、安全で楽しいトレーニング(下に動画有り)を目指し
まず親子と一緒にナミもホールディングプールに入ってもらいます。
そして、ステージを滑ってメインプールに出る。ただそれだけです。

 

トレーナーがゲートを触っても我慢。
我慢することが出来たら、“お魚”と“滑っていいよ”のサインを出します。
今まだトレーニング中なので、完璧ではありませんが、何とか形になってきました。

 

 

元々トレーナーが、ナミにやって欲しくなかった行動を逆手にとってやってみる。
寂しがり屋なナミには少し申し訳ないですが、
アイルの為に我慢もお願いしています。
今後も永遠の課題である楽しいトレーニングとは何か。を海きららでは追求し続けます。