アーカイブ: イルカの妊娠日記

さぶたいとる

2018年4月16日(月曜日)

プログラムの内容変更

本日でニーハが妊娠211日目、ナミが妊娠154日目となりました。

ハンドウイルカの妊娠期間は1年なので、ニーハは折り返しに入って早1ヵ月が経過しました。

ナミもあと1ヵ月ほどで折り返しになります。

 

1年前の2017年2月のニーハはこんな感じでしたが

 

今日のニーハはこんな感じで、体重は昨年2月から約50kg増えて、現在284kg。

見た目の大きさも全然違います。

 

そんな2頭のイルカで1日に3回実施している、イルカのプログラムですが、

本日より内容を変更しました。

 

1ヵ月前の妊娠日記で、お腹に負担がかかりそうな、くるくる回るスピンジャンプを

中止しています、というお話をしました。

大きくなってきた、ナミ、ニーハのお腹を考慮して、さらにフロントフリップ(前方宙返り)、バックフリップ(後方宙返り)も中止することにしました。

 

妊娠期間が半分ほど過ぎているとはいえ、まだまだ出産まではニーハで5ヵ月、

ナミで7ヵ月あります。

新しいプログラムでは、運動不足にならないように、ハードルを使った種目にも挑戦します。

 

 

今後さらに大きくなっていくであろう、ナミとニーハ。

新しい種目にも挑戦していきますので、乞うご期待!

2018年3月31日(土曜日)

ささいなことまで気になるんです、取り越し苦労?プロゲステロンの巻

ナミとニーハ、妊娠中も健康状態を知るために血液検査を定期的にしています。

さて結果は?

 

基本的には健康なのですが・・・気になることが。

 

ナミは3月19日の検査でプロゲステロンが低めです。

1週間後の再検査で上昇傾向だったのでちょっと安心。

 

プロゲステロンは妊娠を維持するために必要なホルモンで、卵巣や胎盤から分泌されます。低くなりすぎると、流産の可能性も。プロゲステロンが低くなると、人間の場合は、薬を使って治療を開始することがあります。

 

ナミとナミの胎子は大丈夫かな?

何か出来ることはないだろうか?

 

海きららは心配性なんです。

不安と心配を前に進む力に変えて行動に移しましょう!

 

ということで、またまた調べまくってみました。

 

海きららにある分厚い英語の専門書によると、妊娠中のイルカのプロゲステロンの正常値が書いてあるものの、びっくりするぐらい幅が広すぎて参考になりません。

 

他の水族館にきいてみると、

低くても正常に出産した例もあり、

一方で、流産したイルカのプロゲステロン値が低くかった例もあり、

結局よくわからない。

もちろん、妊娠中のプロゲステロンが低下しても投薬や治療の実績はありませんでした。

海外も含め、プロゲステロンの値が低くても、放置するのが一般的なようです。

 

「リスクの少ない薬なら、念のため投薬しておくっていうのはどうかな?(トレーナー)」

「もうちょっと調べてみるからちょっとまってちょうだい(獣医)」

 

的なやりとりがあって数日後、獣医がイルカの治療例の論文を探し出してきました。

さすが獣医!

ボーっとしてるように見えますが?やるときはやります、しつこいです!

 

論文によりますと、

プロゲステロン値が低くて妊娠維持がもう無理って判断した個体に、ホルモン製剤を投与したところ、妊娠は維持できたけど、出産時に問題発生、結局うまくいかなかったとのこと。

子供が大きくなりすぎて母体が危険な状態になった例もあり、簡単に使用できないことがわかりました。

 

ということで、今回はそこまで低下しているわけではないので、なにもせず様子を見ることになりました。

論文を見つけたことで、どうしてもプロゲステロン値が低くなった時にとることの出来る選択肢は増えました。

 

 

*一方で、これまでの話を総合すると

「そもそもプロゲステロン調べる意味無いじゃん!」

っていう突っ込みされそうですが、

データ集めることにも大きな意味があるんです、解明されてないことが多いんです、データの蓄積が今後に役立つんです。

 

 

検査の値ひとつで右往左往しているスタッフと対照的に、今日も自由なナミなのでした。

 

 

2018年3月25日(日曜日)

妊娠日記ニュース:「プレッシャーがすごかった」トレーナーが激白 イルカの人工授精報告会開催

 

人工授精での妊娠に成功した海きららイルカAIプロジェクトチームは22日、神戸市須磨区にある須磨海浜水族園で報告会を開催した。

 

三重大学、岐阜大学、南知多ビーチランド、須磨海浜水族園、海きららから計14名が参加し、それぞれの水族館と大学が分担したパートについて報告を行った。報告会は4時間を越えるものとなり、難しい内容ではあったが、糖分の多い差し入れの効果もあり、誰一人居眠りもせず、真剣な眼差しで報告に耳を傾けていた。

 

人工授精の中心的役割を果たした海きららの発表については、収集したデータは多いが、分析や解析もなされていない大量のデータを羅列しただけの「全くまとまりのないもの」に留まった。海きららの発表はわかりにくく、発表時間も大幅にオーバーしたものの、参加者全員が許容範囲の広い大人であったことが幸いし、批判の声は聞こえてこなかった。

 

報告会終了後、一部参加者は

「海きららから精子を送れとのプレッシャーが大きかった(精子採取担当者)」

「いやいや、排卵日推定のプレッシャーの方が大きかった(海きらら獣医)」

などと口論?になる場面もあり、チームワークの良さを垣間見ることが出来た。

 

人工授精成功の一番のポイントは何かとの質問に、プロジェクトリーダーは

「多くの人の協力、本当に感謝している」

と回答した。また

「今回の成功が日本国内のイルカの繁殖に貢献できれば良いと思う」

と感想を述べた。

 

プロジェクトチームは今後データの整理と解析を行い、学会発表を目指すとのこと。

 

( ̄ー ̄)ニヤリ

 

 

 

2018年3月17日(土曜日)

プレママイルカの運動について

野生下の妊娠イルカ、運動量はどのくらいなのでしょうか?

 

イルカの妊娠期間は1年間。

妊娠したイルカも群れのなかで、他の個体と一緒に広い海を長距離泳ぎます。

妊娠したイルカが特別に餌を捕まえることが楽になるわけでもなく、

全速力で餌を追いかけないと餌にありつけません。

攻撃してくるサメなどと戦わなければならない場面もあることでしょう、厳しい世界です。

 

想像ですが、

野生下では、妊娠個体でも運動量が大きく変らないんじゃないかなー。

 

野生のイルカの妊娠個体の運動量や行動変化について詳しく調べた資料は見つかりませんでした(海きらら調べ)。

 

水族館では出産までの間、どのような種目をどのくらいすればよいのか?

これも出産経験のある他の水族館に聞いてみました。

困ったときにはすぐに他の水族館を頼りましょう、どこの水族館も皆さん優しいです、感謝!

明確に、これをやめれば安心とか、これは絶対にやっちゃダメとか、そういったことは無いようですが、胎子の成長にあわせて、お腹に負担のかかる種目は避けているようです。

 

参考にさせていただきましょう!

ということで、お腹や体の横から着水する種目や身体を急激にひねる種目は控えめに。

くるくる回って、体の横から着水するスピンジャンプは中止です。

頭から着水する種目は大丈夫そうですが、念のため、フロントフリップ(前方宙返り)とバックフリップ(後方宙返り)も、出産が近づいてきたら中止する予定です。

ストレートジャンプは全く問題なさそう、良い運動になりそうなので、出来るだけ続けます。

あとは、ナミとニーハに選んでもらうということで。

イルカが嫌がるときには種目を中止してます、安心してください。

 

イルカが種目を選んでいる場面をご紹介します。

 

バックフリップはイヤ、フロントフリップがしたいナミ

 

 

でも、このシステム、

トレーナーとしては、

 

すっごい困るんですけど。

 

でも・・・無理はさせません、

 

イルカが良ければいいんです

 

 

2018年3月12日(月曜日)

心臓もしっかり動いてます

ナミとニーハの胎子、順調に成長しています。

 

まずはナミから。

 

 

なんとなくイルカの形になってきました。

右が頭、左が尾ビレです。

もぞもぞ動いてますね。

エコーを当てた最初の方が動きます、音が聞こえているのでしょうか?

羊水もたっぷりで、順調のようです。

 

つづいてニーハ。

 

 

右が頭、左が尾ビレ側。

背骨がしっかり見えています。

青い丸の部分が心臓です、心臓が動いているのも良く見えます

 

 

 

海きらら獣医は

「ニーハの胎子、心臓の動きもしっかり見えました!」

と、喜んでいました。

 

が、

 

以前、心臓の動をカラードップラーで見るって言ってなかったか?獣医さん!

いいのか?それで。

あれだけカラードップラーで見たいって言ってたのに。

本当にいいのかーー。

中途半端なカラードップラー、見えなかったカラードップラー、再挑戦しないのか?

このままで良いのかーーー。

 

心臓の動きが見えて、

胎子が元気なので

もうどうでも良くなっている名獣医なのでした。

2018年2月28日(水曜日)

ナミとニーハの体重を測りました!

本日朝、ナミとニーハの体重測りました。

ニーハは285kg、前回(2/15)より3kgの増量です。

ナミは274kg、前回(2/15)よりマイナス3kg

 

だいたい予定どおりですかね。

 

昨年9月、人工授精後のニーハの体重変動はこんな感じです。

オレンジ色がカロリー、青丸が体重です。

 

今年の1月中旬以降、給餌量を減らしているにも関わらず、体重は増えています、妊娠の影響でしょうか。ちょっと太るスピードが速すぎる気もしますが、胎子にたっぷり栄養が届くように体重管理していきたいところです。

 

ナミの様子は、こんな感じ。

 

ナミも順調に体重が増えていたので、ちょっと給餌量を下げて調整しています。少し体重が減ってますが、想定内ですね。

 

イルカの体重管理ってとーっても難しいんです。

基本的には、食事の量と質で体重をコントロールするのですが、水温、気温、運動量など体重に影響する要因が沢山あって、予測が非常に困難です。

 

・いっぱい食べれば太る、食事の量が足りないと痩せる。

・餌の脂の乗り具合が変化すると、体重も変化する。

・水温・気温が下がると痩せる、上がると太る。

・秋から冬は比較的太りやすい。

・運動量が変ると、体重も変る。

・大きな傷や怪我などが治る時には、いっぱい食べても痩せていく事がある。

・胃腸の状態が悪くなり、消化吸収能力が落ちると、体重が減ることがある。

 

トレーニングの内容やショーでの動きやジャンプ回数、おもちゃでの遊び方など、イルカの状態をよく観察して、餌の種類と量を決めていきます。

これを間違えると、次回体重測定の時に

「太りすぎたー」とか、「痩せすぎたー」ということになります。

給餌量は100g単位で調整するのですが、決める担当者はこの100gに頭を悩まします。

 

給餌量を決めるときに必要なことは

 

・データを冷静に分析できる頭脳

・動物の小さな変化も見逃さない観察力

・自分の考えに凝り固まらない柔軟な頭

・他人のアドバイスを受け入れるおおらかな心

・自分の間違いを認める素直な心

・「多すぎなんじゃないの」とか「これじゃ痩せちゃうよ」

 なんていう外野の声に左右されない強い意思

・情報を総合的に判断できる経験値

・勘(やっぱり最後は勘なのか?)

 

もちろん海きららの給餌量設定担当者は全てを備えていますよ、もちろん。

(海きららの有能な給餌量設定担当者です、自信満々です)

 

今後、胎子が成長してくると、2頭の体重コントロールはさらに難しくなります。

腕の見せ所ですね、2頭の体重変化にも注目です。

2018年2月23日(金曜日)

胎子ですかね~?ニーハ妊娠! ・・・(妊娠までのストーリー⑯)

 

平成29年10月ごろ。

ニーハの血中プロゲステロン値は引き続き高いままです。

黄体遺残なのか、妊娠したのか。

 

もちろん妊娠している方が良いのですが、妊娠している可能性がかなり低いと見ていたので、スタッフ全員すっごいモヤモヤしていました。

 

どっちなのか早く知りたいのです。

 

なぜ、早く知りたいのか。

残された時間は29年度末まで。

妊娠していなかった場合には次の人工授精に取り掛かりたいのですが、のんびりしていると、次の人工授精のチャンスを逃してしまいます。

 

・エコー検査で胎子が見えれば妊娠確定。

 

または

 

・血中プロゲステロン値が下がれば次の人工授精の準備。

 

血液検査でプロゲステロンを追跡すると同時に、エコー検査を頻繁に行い胎子の探索に全精力を注ぎましょう。

ところが、当館の獣医はというと、今までにエコーで胎嚢とか胎子を見たことが無いのです。

またまた他の水族館に聞きまくりました。

問い合わせばっかりして、ほんと迷惑ですよね、協力してくださった皆様、ありがとうございます(水族館に聞くだけでなく、文献もちゃんと調べております)。

 

情報を総合すると、受精から2ヶ月ぐらいすると胎子が見えてくるようです。プローブを当てる場所は、おへそから生殖孔の間で、思っているより上のほうで見えたとの情報もありました。そもそもの話し、そんなに早く妊娠を知る必要が無いので、他の水族館でもあまり早期からエコー検査をしていないんですね。

結局、妊娠初期に胎嚢や胎子がどのように見えるのかあまりよくわかりませんでした。

 

イルカのお腹側、いろんなところにプローブを当てて探しますが、胎嚢や胎子らしきものは見つかりません。上の方まで探してみると、

 

ありました!黒い丸、もしかして胎嚢か?

 

でもあまりにも上すぎです、こんなところに胎嚢あるのかなー?

ということで、妊娠していないナミでも見てみたら、なんと同じところに黒い丸があるじゃないですか。

肝臓の動脈を見間違えていました、がっかり。

 

「12月末まで待って、胎嚢や胎子が見えなければ、黄体遺残として対応するしかないかなー」

 

スタッフ内ではそんな話しもしていました。

 

 

そんな手探りのエコー検査を続け、11月上旬の頃、膀胱の少し上にモヤモヤした怪しい影が見え始めました。

でもこれは、ぺちゃんこで、ぐにゃぐにゃで胎嚢っぽくは見えません。

腸がみえているのかなー?っていう感じです。

 

そして11月16日のエコー検査の画像がこちら

 

 

このときの獣医の一言(ニヤニヤしながら)

「何なんでしょうねこれ、胎子ですかねー」

 

この時点で、妊娠につてはかなり確信を持っていたはずなのに、

 

「胎子ですかねー」って

 

感情表現が下手ですっごい人の良い獣医です。

すーーーーーっごい嬉しいはずなのに。

 

やはり膀胱の少し上に見えていた怪しい影が胎嚢だったようです。

この後、胎子の成長を確認するまでもう少し時間をいただき、12月11日に皆様にニーハ妊娠の発表を行いました。

やったー!

 

つづく・・・。

 

2018年2月17日(土曜日)

カラードップラーに挑戦するも・・・・

ニーハの胎子、随分大きくなってきました。

そろそろ心臓の動きも見てみましょうということで、

エコー(超音波診断装置)の設定を、カラードップラーにして、胎子を見ることにしました。

カラードップラーの設定にすると、心臓の血流が見えます。

 

イルカが我慢できる時間が短いので、プローブをイルカに当てながら設定を細かく調整している時間はありません。

エコー検査前にこのくらいかなーってだいたい調整してから、イルカにエコーを当てました。

 

最近、ニーハの胎子は位置が随分動きます。

今回はかなり左、体の横近くまで動いていました。

こんなに位置が変るものなんですかね、胎子の位置を探すのにも一苦労です。

 

さて、カラードップラーでの検査結果はというと

エコーの設定がわるく、見たいところが画面上に入らず、

心臓の動きは全く見えませんでした。

写真中央の台形の中に、胎子の胸部が入らないといけないのですが、

完全に的外れです。

 

完全に的外れのエコー写真

 

 

迷獣医のコメント

「ただ見えにくくなっただけですね・・・ははは」

 

「ははは」と笑っていたものの、獣医はすっごい悔しかったみたいです。

次回に期待!

2018年2月16日(金曜日)

ナミの人工授精11月バーションⅡ(妊娠までのストーリー⑮)

11月14日の朝、人工授精本番です。

 

早朝からイルカチームと獣医が全員集合。

朝6時にエコー検査をしたところ、まだ卵胞が見えました。

まだ排卵はしていないようです。

 

人工授精の本番は、「ちょっとぼーっとする薬」を注射し、リラックスさせてから、イルカをマットの上に乗せて行いました。

ハズバンダリーでの人工授精と違って、ゆっくり子宮を探すことが出来ます。

 

内視鏡は2名で操作します。

1名は内視鏡を挿入して前後に動かす係り。

1名は内視鏡の上下左右を操作し、ヘッドマウントディスプレイの画像を見ながら、挿入係に「進む、止める、戻る」の合図を出します。内視鏡係りは獣医です。

2人の息が合わないと、思いどおりのところに内視鏡を進めることが出来ません。

今まで何度も内視鏡の挿入を行ってきたので、息もぴったりです。

 

生殖孔から内視鏡をゆっくり挿入していきます。

ナミは暴れることなく静かにしています。

 

子宮の入り口と思われる厚く腫れた部分までは、順調に進むことができました。

さらに内視鏡を進めますが、途中から何も見えなくなります。

挿入係りの手ごたえだけを頼りに内視鏡を挿入していきます。

抵抗感はあるものの、壁に当たったような感じではありません、そのままゆっくり進みます。

視界が開けると、内壁の様子が変っていました、子宮内への進入成功。

しかもその先に2つの穴が見えます。

この二股に分かれた部分は子宮角と呼ばれる場所です。

今回ナミが排卵したのは、右側です。

なので、右側の穴を進みたいのですが、上下左右がわかりません。

そこで、内視鏡の先端からほんの少し精液をだして、落下する方向をたよりに左右を確認してから進みます。

 

人工授精で精子を注入しているところです。

 

人工授精が終わったら、「ぼーっとする薬が効かなくなる薬」を注射し、プールへリリースしました。

最後にエコー検査をしたところ、卵胞は無くなっていました。

 

11月、ナミの人工授精をまとめると

・元気な精子がタイミング良くたっぷり準備できた!

・排卵のタイミングもばっちり予測できて絶好のタイミングで人工授精ができた!

・内視鏡も子宮の奥まで入れて、精子も絶好の位置に注入できた!

 

これ以上ないベストな形で人工授精が出来ました。

受精・妊娠、かなり期待できます。

ここから先、受精するかしないかは、イルカの生命力に任せるしかありません。

 

 

さてさて、黄体遺残疑いのニーハはどうなったでしょうか。

 

 

つづく・・・。

2018年2月14日(水曜日)

ナミの人工授精11月バージョンⅠ(妊娠までのストーリー⑭)

9月10月に続いて、11月もナミの卵胞が育ってきました、人工授精チャレンジ出来そうです。

 

海外に発注していた、排卵を予測するための強力な武器

 

「犬用LH検査キット」

 

ようやく届きました。

 

LH(黄体形成ホルモン)の値は排卵の前に急上昇急降下(LHサージと言います)します。

LHサージをとらえられれば、排卵のタイミングもかなり正確に予測できます。

 

この検査には尿を使いますが、濃縮する必要があります。

LHを濃縮するためには、かなり高速回転する特殊な遠心分離機が必要です、高額です!

協力施設から遠心分離機をお借りできることになりました(ありがとうございます)。

 

さて、前回の排卵日からの日数と卵胞発育の状況から、いつ排卵してもおかしくないタイミングになりました。

LH検査キットをつかってLHサージを捉えましょう。

 

LHが上昇していると青まるのところに赤線が見えてくるのですが、

 

11月11日、14:30に採取したナミの尿 → 反応なし

11月12日、14:30に採取したナミの尿 → 反応なし

 

LHは上昇しているものと思っていたので

「なんで反応しないの?」

「検査手順合ってる?」

「遠心分離機の使い方間違ってない?」

「フィルターの向き合ってる?」

と獣医は皆から責められ、

 

人が良い獣医は、

「そうかなー」

とか言いながら改めて論文を読み直し、

「間違うほど複雑な検査手順じゃないんだけとなー」

「やっぱりやり方は間違っていないはずなんだけどなー」

「やっぱりあってると思う、LHが上昇してないんだと思う」

ということで、翌日も同じ方法で継続して検査することにしました。

 

すると

 

11月13日、7:30に採取したナミの尿 → 「反応あり!」

11月13日、13:40に採取したナミの尿 → 「うすく反応」

 

下が7:30の尿、上が13:40の尿です。

 

やりました、LHサージ捕捉!

(名獣医、疑ってごめんなさい)

 

検査の結果、11月14日の朝排卵の可能性が濃厚です。

11月14日の朝に人工授精実施決定!

朝6時からやりますよ!

 

さて、精子はというと、今月は須磨海浜水族園のカイリが不調で採取できず。

でも、南知多ビーチランドのリオスが復活、10日、11日、12日と3日続けて精子を採取することが出来ました、ビーチランドのトレーナーとっても頑張りました。

海きららに届いた精子も元気、今回は十分な精子が手に入りました。

リオスとトレーナーに感謝です。

 

タイミング、精子ともに準備はばっちりです。

 

あとは、内視鏡を子宮まで挿入できるか?

 

精子が十分あるので、11月13日、朝、夕、そして夜と、まずはイルカに負担のないハズバンダリーで人工授精を行いました。

子宮の入り口付近も9月、10月の時よりかなり厚くなっています。なのでプロスタンディン軟膏は使う必要はなさそうです。

ハズバンダリーで3回チャレンジしましたが、3回とも子宮にはたどり着けませんでした。

 

 

入り口の場所、だいたい予測が付くようになってきたのですが、どうしても子宮まで入れません。一応精子は注入しましたが、注入の場所が手前すぎ、しかもタイミングは早すぎなので妊娠の可能性はかなり低いでしょう。

 

このまま、翌日11月14日早朝の人工授精本番に突入していくのでした。

 

つづく・・・。

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